男女の違い

今回の大震災を各人が各様に経験して、いろいろなことを感じたり考えたりしたと思うのですが、平均的にみて、女性と男性で少しその反応に違いがあるように思いました。

それは、女性のほうが総じて震災を怖がっている人が多いということでした。天災というのは、勿論誰にとっても恐怖を伴うものですが、女性の方がそれを肌で感じてそれが行動にも出てしまうということのようです。

パニックになって部屋の外に飛び出そうとしてしまったり、慌ててしまって何をどうしたらいいのか分からなくなってしまったという話しを主に女性から聞きました。

それは、きっと女性の本質は誰か大切な人を守るという母性的本能が強いために、その原動力となる恐怖が大きく出てしまうのではないかと思うのです。

一方、男性は危機的状況においては、恐怖を攻撃的な感情に変換するような体質があるように思います。それは、誰かを守るというよりも獲物を捕らえるという役割から来ているのかもしれませんね。

子供の頃に、家のすぐそばにある石神井川が集中豪雨のたびに氾濫したのですが、そうなると川の水かさがあっという間に増えて、地上と同じくらいの水位になってしまうのです。

濁流が地上すれすれのところをを猛スピードで流れるような状態になるのですが、それ以上雨が降り続けるとすぐに床上浸水になってしまうのでした。

そんな中、どういうわけかそうしたごうごうと流れる濁流の淵を上半身裸になったおじさんが現れて闊歩しながら、俺が来たから何かあったら助けるよ、みたいなことを言っているのです。

それを見るたびに、子供心にこのおじさんは今とても生き生きとしている、こういう災害が好きなのではないかなと思ったものでした。

つまり、男性というのは危機的状況になったときに、ある種アドレナリンが大量に分泌されて戦闘態勢になるのでしょうね。そのアドレナリンおじさんを目撃するたびに、そう思いました。

そういうわけで、一般的には今回のような災害が起きたときには、女性と男性では反応の仕方に違いが出るのも自然なことなのかもしれません。

地震がとても怖くて仕方ないと感じる女性のみなさん、大して怖がらないような男性がいたとしても尊敬しなくてもいいと思います。持って生まれた役目に違いがあるというだけです。

それでも、私の目からみて、咄嗟のときに冷静でいられるようにした方がかえって、安全を確保することができるように思います。

起きることは起きるし、起きないことは起きないということです。身に降りかかることを心のどこかで受け入れる準備をいつもしていることが大切なのかもしれませんね。