真の救いに気づくとき

ほとんどの人々が、安心、安全を手に入れようと頑張っています。それは、勿論心の中に恐怖や不安があるからです。

そうしたネガティブな感情から逃れたくて、安心を求めて日々暮らしているわけです。そのときに使われるのが、幼いときに作り上げられた自己防衛システムです。

それはひと時の安心を得るためには効果があるのは事実です。けれども、その逆に人生レベルではいつまでたっても救われることはありません。

誰かに勝っても、好きな人と一緒にいられても、お金持ちになっても、明日はどうなるのか誰にも分からないし、必ず変化するのがこの世の常です。

事業が成功しても明日は倒産するかもしれないし、愛しい人との別離がやってくるかもしれませんし、病気で苦しむことになる可能性もあるのです。

本当の救いとはどんなものでしょうか?実は、個人としてのこの自分が人生の主役としているかぎりは、残念ながら真の救いは決してやってきてはくれません。

救われるべきこの自分がいないと分かったとき、本当の救いがくるのです。あなたの周りで起きているどんな事柄とも関わりありません。

あなたの内面でこのことの気づきがやってきたとき、やっと真の救いの意味が分かることになるはずです。

それはあまりにもあっけない気づきであると同時に、壮大過ぎてたとえようのないものです。なぜなら、それは安心を得る自己がいないという気づきだからです。

それでも、人間としての自分はこの肉体をもって、まるでこの人生を生きていくように見えるのですから、不思議なものですね。

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