人格の作られ方

私たちは誰しも、人生という貴重な体験を通して人格が形成されていき、自分とはこういう人物なのだという人物像を持つことになるのです。

その人格形成に欠くことができないのが自分以外の他人の存在です。自分ひとりでいては、決して人物が作られることはありません。

人との係わりによって、人からの反応を受け取ることで自分という存在の肉付けがなされていくのですから。

したがって、もしも人からのフィードバックを上手に受け取ることができないとしたら、私たちの人格が正常に形成されないということが起こります。

たとえば、人からの評価を常に低く見積もってみたり、逆に勝手に高い評価を得られていると自分を騙したりするということです。

前者の場合は、自己評価が低くて自分に自信を持てずにいる人になるでしょうし、後者は現実から目を背ける傲慢な人になるかもしれません。

また極端な例としては、激しい自己防衛の結果、人からのフィードバックを受け付けなくなってしまったとしたら、その人の人格形成は幼児期でストップしてしまうことになってしまうでしょう。

自分だけの能力を信じて、誰の言うことも信じずに防衛し続ければ、その人の人格は幼いままに固定されてしまうのです。

逆に無防備な人は、より多くの人たちからの情報を受け入れることができるので、より豊かな人格が作られていくわけです。

大人になってからでも遅くはありません。自分のワールドの正しさに執着する代わりに、外側にあるさまざまな世界からの情報に耳を傾けることです。

何が正しいかという目の代わりに、何が興味深いかということに意識を向けると、これまで培ってきた情報を度外視して、より多くの味わい深い知見を広めることにつながるはずです。