自己否定感を受け入れる

この世界に完璧な人というのはいません。誰でもが、すばらしい部分とその反対に否定的な部分を持ち合わせています。

けれどもそれは客観的事実ではなく、判断する人の心がそれを決めているのです。もっと言えば、人のどの部分に目が行くかということは、見る側の人の心によって決まるのです。

つまり、人の肯定的な部分に主に目が行く人は、相手のすばらしい部分に心が反応してくれるので、その人のことを好きになるでしょう。

一方で、人の否定的な部分にばかり注意が向いてしまうなら、相手のことを忌み嫌うことになってしまうのです。

そして、その人はそれが事実であり、そのように裁くことができる自分は正しいに違いないと信じることで安心しようとしているのです。

どちらが清々しい心でいられるかは、明らかですね。では、どうして人の否定的な部分に目が向いてしまうようになるのかについて、考えてみたいと思います。

それは、実はその人の心は相手を裁く前に気づかずに自分自身を裁いているということです。そのことを自分に対して隠すために、相手を否定の目で見ることになってしまうのです。

相手を否定することで、自分を裁く心を隠しておくことができるというわけです。心を癒していくどこかの時点で、このことに気づかねばなりません。

自分を激しく否定していることとしっかり向き合うことができれば、そのことを素直に認めて、惨めな自分から目を背けずにいることができるようになります。

そうやって、自己否定感を受け入れていくことができれば、相手を否定の目で見ることがなくなっていくはずです。そして、ようやく愛の目で周りを見ることができるようになっていくのですね。