存在と実在の違い

モノが存在するとはどういうことなんだろう?という素朴な疑問が、子供の頃からずっとあったのですが、今ではそれが知覚だということが分かります。

つまり、自分が知覚するということが、その知覚の対象が存在するということと同等だということです。この発見は気持ちを安らかにしてくれました。

けれども、もう一つの存在が実はあることにも気づいています。それは知覚とはまったく関連しない領域のことです。

区別するために、あえて言葉を変えて、実在と呼んでもいいかもしれません。それは、対象ではなく、ただ在るのです。

そのことに私たちはずっと気づいているのですが、常に知覚が優先されてしまうために、意識に上ってこないだけなのです。

存在は思考と切り離して見ることができないのに対して、実在は明らかに思考の範囲を越えたところに在るものです。

私たちが心を静かにして、つまり思考を充分に緩めた状態においてのみ、実在を感知することができるのは、そうした理由があるのです。

実在を感知していると、すべてにOKを出し続けることしかできなくなります。なぜなら、実在は完全性であり全体性であるからです。

それこそが私たちの本質なのですね。

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