人生が生き辛くて苦しんでいる人と、心が癒されて幸せな人との共通点は何だと思いますか?それはどちらもあるものに心を奪われているという点です。
苦しい思いをしている人は、自分の周りの人やものに心を奪われた状態で生きています。逆に癒されている人というのは、自分の内奥にあるスピリットに心を奪われている状態なのです。
前者が心を奪われている状態を一般的に依存と呼びます。依存の特徴は、自分の心を閉ざしておいて、外側の世界を自分のいいようにコントロールしようとすることです。したがって、思い通りにいくことはなく、不平不満の多い辛い毎日となってしまいます。
一方、後者が心を奪われている状態を一般的に委ねていると表現できると思います。自分の心を開放して、スピリットのために生きるような毎日になりますので、不平不満がなく、充実感の中で生活することになります。
前者は今の自分のままではダメだと思っておきながら、その部分を見ないようにしてうまくいかない自分の人生を周りのせいにしようとします。そして、何とかして他者によくしてもらおうといつも期待しています。
後者は、今の自分をそのままに受け入れていながら、自分の人生の舵取りをスピリットに明け渡している状態です。それには深い信頼の心が基本になりますね。
前者は、周りを信頼することはとても難しいと感じています。逆にいつも疑心暗鬼になって不安や心配の種が尽きません。それに自分の心を投影しますので、理不尽なことが続けて起きるのです。
後者は、平安な心を投影するようになるので、穏やかで永続的な安心の中で生きていくことができるのです。
どちらを選ぶことも可能です。決心する力は自分自身の中にあります。しかし、決心しなければ、選んだつもりでも実際には今までどおりの自分の行き方のままである可能性が高いです。
私たちは口先では幸せになりたいと言っておきながら、前者を選んでしまっているか、あるいは依存の少ない自立を選んでしまっているのがほとんどです。
後者を選ぶには、自分の心の中心にある信念や信条を一旦白紙に戻さねばならないため、恐怖が邪魔をするのです。それ以外にも感覚的な恐怖というのもあるかもしれません。
何度か体験したのですが、自分がすばらしいところへ行きそうになった瞬間にバサっとシャッターを下ろしている自分を感じたことがあります。あのまま進んでいたらと後悔するのですが、それは相当に恐ろしいことだと思っている自分がいるみたいです。
恐怖は一度では乗り越えられません。少しずつ自分が本来のスピリットに近づいていくようにしていくしかないですね。早くとっぷりと自分のスピリットに心を奪われるようになりたいものです。