昨日の続きです。
何らかの理由によって自己表現をしなくなってしまうと、そのことによる心の葛藤が生じて、長い間には自己犠牲となって、怒りなどの苦しい感情を蓄積していくことになるというお話をしました。
この状態というのは、常にエゴのカッコウの餌食となっていると言えます。自己表現をしなくなってしまった原因というのは様々ですが、すべてに共通していえることは、何らかの怖れが邪魔をしているということです。
つまり、その怖れから自分の身を守る、自己防衛のために自己表現をすることを抑圧してしまっているのです。これは、すぐに無意識のコントロール下に置かれるようになります。
なぜなら、自己防衛の優先順位というのは幼い時ほどとても高くなっているため、いちいち意識していたのでは完全な防衛ができなくなる怖れがあるために、意識せずとも自己表現を抑制するメカニズムを無意識の中に作ってしまうのです。
したがって、大人になって癒しのためにできるだけ自己表現をして下さいと言われても、そう簡単にそのメカニズムを停止させることができなくなってしまうのです。
発言しようと思っても、喉がつまったようになって声が出ない状態になってしまったり、それでも頑張って何かを言おうとすると今度は頭が真っ白になって言うべき内容が分からなくなるということまで起こりえます。
こうしたことを改善するのにも、「奇跡のコース」の赦しの教えはとても有効です。相手を赦していくことによって、相手は加害者ではなくなると同時に自分のことも被害者とは見なさなくなっていきます。
その結果、自分は周りから傷つけられるという幻想から少しずつ開放されていくのです。そうすることによって、自分を防衛しなければいけないという怖れが徐々に小さくなっていき、自己表現の抑圧も少なくなるのです。
このように、赦しはすべての苦悩から開放される奇跡の手段と言えます。