今から10年ほど前、会社を退職する少し前に、ある日本人女性のセラピストの方が書いた本を読んで、ユングの分析心理学なるものがあることを知りました。
それは夢を分析していくことによって、心を癒していくというカウンセリングのようなものです。興味を持って読んだ後に、自分も受けてみたいと思ったのです。
その著者の方が実際にやられている場所がたまたま比較的自宅から近くだったこともあって、通いだしたのです。
元々人の心というものには興味があったということもあるかもしれませんが、今思えばちょうどそういう人生の分岐点的な時期にきていたのかもしれません。
毎回、自分が見た夢の内容を覚えておいて、それを持っていってそのセラピストの方にお話しすることから始まります。
詳しいことは忘れてしまいましたが、単に一つの夢の内容から意味を導き出すというよりは、毎回ごとの夢の内容を連続したものとして解釈していくのです。
ですから、よくある夢判断的なものとは若干趣きが違います。勿論夢以外のことも、必要に応じて自分のプライベートをお話したりもします。
不思議だったのは、あまり話したくないと思って黙っていることなども、回を重ねていくごとに少しずつ暴かれていく感じがしたことです。
そんな中で一つとても印象に残っている夢がありました。それは、自分が生まれ育った昔の家を少し離れたところから眺めているというものでした。
ただ、その家がクレーンに吊り下げられた大きな鉄の丸い塊を振り子のようにしてぶつけられて、破壊されていくというものでした。
私はそれを特別何の感情を感じることもなく、ただ見ているのです。それは、自分の中で大きなパラダイムシフトが起ころうとしていることを意味するということでした。
そしてその分析どおり、私はその後まもなく20年以上にわたる会社員生活にピリオドを打つことになったのです。
かなり勉強しないと夢の解釈は難しいらしいですが、それでも見た夢の内容を日記のように記録することを続けていくと、自然と自分の心の深い部分を知ることができるらしいですね。 ご興味があれば、試してみて下さい。