主従関係といっても、人と人との間の話しではなくて、心と身体の関係のことです。私たちは誰でも心という概念を知っています。
見ることも触ることもできないのに、それはどこかにあると思っています。科学的には、脳の働きによって心というものが発生すると考えられているかもしれません。
ということは、脳というのは身体の一部ですから、身体が心を作り出しているということになりますね。身体あっての自分の心という発想になります。
つまり、身体が主で心が従ということです。そのことを証明するかのように、私たちは身体から来る要求に突き動かされて生活しています。
お腹が空いたという身体からの信号がくれば、何かを食べようとするし、眠いと訴えられたら寝ようと思うわけです。
今日は暖かいと身体が感じれば薄着にするだろうし、寒いと言われれば一枚上着を羽織るかもしれません。
身体が疲労したと感じれば、それ以上労働するのをやめようとするでしょうし、身体が喜ぶようなことはお金をかけてもやろうとします。
女性なら誰でも一度はダイエットに興味を持つのかもしれませんし、エステに通ってきれいな身体を保とうとします。
こうしてみてみると、自分とは毎日とにかく身体という主人に仕える家来みたいなものだと思いませんか?身体が快適と感じることをいつも選ぼうとしています。
しかし、本当は違います。脳の働きによって心があるのではなく、まず心があってそれが身体というものを従えているのです。
このことを明確にしなければなりません。自分(心)が身体を使って生きているのです。今までの主従関係を逆転させなければ本来の自分を見出すことができないのです。
つづく