自分は誰でもないということがはっきりしたとしても、肉体が朽ちるまでは人生というものは相変わらず続いていくのですね。
そして、やっぱり相変わらず困った事態もやってくるし、身体の具合が悪くなることも同じようにやってくるのです。
それなら、本当の自分が純粋な意識だと気づいても、これといって何も変わるようなことはないのではないかと感じても当然でしょう。
そうなのです。仮に覚醒体験したとしても、具体的には何も変わらぬ毎日がそれ以降も淡々と繰り返されていくばかりなのです。
幼い頃に溜め込んで、抑圧したままになっている感情があれば、それが今現在の自分にチャンスと見れば襲い掛かってくるのです。
したがって、生きている不自由さやうまく行ってない感というのは、やはり感じるわけです。だから、心の癒しもそれなりに必要なのです。
そういうわけで、目に見えるような変化はないのです。けれども、自分が何かを知ると、やはり何かが変わるのです。
それはどんな状況になったとしても、比較的短い時間で深刻さから抜け出すことができるようになるのです。
自分の惨めさを感じたとしても、どんな感情がやってきたとしても、心の底から落ちていくことがなくなるのです。
なぜなら、人生や宇宙もすべてが精巧にできた物語に過ぎないということに常に意識を向けていることができるからですね。
これこそが、本当の救いなのですね。