思考は「問題→解決」をただ繰り返す

いつも思考をグルグルと忙しく働かせながら生活している人には、大きく分けて次の二つのタイプがあると考えられます。

一つは、自分ではあまりそのことに気づいていなくて、誰かに指摘されて初めてそうかもしれないと分かるタイプ。でも、いざ思考を緩めようと思っても、なかなかうまくできないのです。

もう一つは、一瞬にしても思考を緩めることができると知ってはいるのだけれど、そのことがどれほど大切なことなのかということには、気づけていないタイプ。

私から見ると、どちらもそれなりにやっかいなのです。両方のタイプに共通なのは、自己防衛システムによって思考が絶えず働かされているということ。

特に、後者のタイプは心理的には思考を緩めることができるのに、そんなことをいくらしても何も解決しないと信じ込んでいるので、そこから抜け出せずにいるのです。

思考の目的は、問題を見出してはそれを何とかして解決しようとすること。この「問題→解決」という手順を繰り返すことで人生の目的を達成することができると思っているのです。

けれども、思考が何かを解決することができたとしても、それは同時に次の「問題→解決」が始まることを意味しているのだと理解することです。

そうやって、思考はいつまでも思考(自己防衛)そのものを維持するために使われることになるのです。

問題は解決するのではなく、どこまでもただそれと戦わずに(思考を停止して)見ることでのみ、問題が消えていくことになるのです。

いつも忙しく思考を働かせている人は、もうそろそろいい加減にこのことに気づくことがどうしても必要ですね。

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