先日あるテレビ番組を観ていて、とても興味深いなと思ったのですが、それは嫉妬を感じた相手についてを語る、暴露する内容だったのです。
ホ~、こんな番組があるんだと思って観ていると、著名な芸能人やアスリートの人たちが、密かに思っていた嫉妬を感じる人について、赤裸々に告白するのです。
何故興味を持って観ることができたのかというと、一般的には嫉妬というのは相手に対しての負けを認めることだからですね。
それも一方的に相手と争った末に、これまた一方的に負けたと感じているということが、いかにも惨めな感じがするからです。
自己防衛という観点からすると、嫉妬心はどこまでも隠しておきたいものの一つなわけです。そこを心開いて、正直に語るからこそ人の心を打つのですね。
で、私もアイツには負けたと感じたことがあるのですが、それは高校生のときでした。ひどい雨降りの日に、友人と一緒のバス停で降りて、家まで歩いて帰るときのこと。
私は傘をもっておらず、濡れて帰ろうとしていると、彼が持っていた傘の中に私を入れてくれたのです。ここまではごく普通の親切な人の話しです。
けれども、家の近くまで送ってもらって、お礼を言って別れた後、踵を返して帰っていく彼の後ろ姿を見たときに、びっくりしたのです。
彼の身体の半分以上がビショビショに濡れていたのです。彼は傘をほとんど私の方に差し出したまま、一緒に歩いてくれていたのですね。
胸が熱くなると同時に、絶対彼には勝てないという嫉妬がやってきたのを憶えています。嫉妬心も逃げずにじっくり味わってあげると、不思議な心地よさがあるものですね。