自我という役柄を演じる

大学受験に失敗して浪人が決まった時に、予備校に通う決断と同時に俳優になる道はないかと思って、あるオーディションに写真を送ったことがありました。

今思えば若気の至りに過ぎないのですが、そのくらい俳優さんへの憧れみたいなものがあったということですね。

俳優というのは与えらえた役柄を演じ切るのが仕事。苦労も多いのだろうけれど、さまざまな人生を模擬的に体験できる魅力もあります。

名優といわれる人は、できるだけその役柄になりきることができるので、場合によっては本当の自分よりも役の人物のようになってしまうこともあると聞きます。

けれどももっとずば抜けてその役に入り込んでしまっている人がいます。誰だか分かりますか?それが全人類なのです。

私たちは誰もが自分の本質のことをすっかり忘れてしまい、与えられた人生の中心人物としての自分を生きているのです。

役柄を完璧に演じているという点では100点満点に違いありません。ただ残念なことに、その役から抜け出て来れずに死んでいくのです。

では自我という役柄を演じているということに気づくためには、一体どうしたらいいのか?それは自我との距離感を掴むことです。

つまりはできる限り意識的でいて、自我を見守る側にいる時間を長くすることです。自我との同化を外すにはそれしかないのでしょうね。

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