架空のものとはいえ、一度エゴができてしまうと、その惨めさから何とか抜け出そうとして頑張るのが人生というわけです。
なぜエゴは惨めかというと、自分が外の世界から分離した一個人だと思い込んでいるからです。その不安、その孤独感こそが惨めさの原点なのです。
それなのにその避けようのない惨めさから脱しようと、あらゆる闘争を続けるのです。今よりももっと惨めに感じなかった過去を思い出すのもその一つ。
あるいはまだ来ぬ未来に対して、きっと惨めではなくなるはずという勝手でしかも原理的に不可能なことを想像し続けるのです。
つまりエゴは、生き延びるために過去と未来を手放すことができないのです。そのどちらも思考の中にしかないということを理解できずに…。
私たちの本当の救いが、過去や未来にあるという間違ったエゴの作戦では達成できないということを、改めて理解する必要があるのです。
エゴの誘いに乗らずに、思考が運んでくる過去や未来に目を向けずに、ただ今この瞬間にいるように練習することです。
なんどもお伝えしているように、真の救いとはエゴから解放されることだからですね。