頭隠して尻隠さず

ワンちゃんを可愛がっている人からすると、ちょっと不服かもしれませんが、犬には自我がありません。勿論他の動物も同じです。

犬が自分の尻尾を追ってクルクル回っている姿を時々見ることがあると思います。あれは勿論尻尾を自分の身体の一部だと認識していないからです。

なぜならそもそもが自分という認識がないからこそ、自分の身体というのもないわけです。その自分という認識こそが自我だからですね。

「頭隠して尻隠さず」という諺があるように、犬は相手から隠れようとするときに、相手の姿が見えないようになるだけで隠れている感覚になるのでしょうね。

頭というのは目がある部位だからこそ頭だけは隠すことになって、それ以外の身体はバレバレ状態になってしまうわけです。

それに対して私たち人間は、自我(自分という認識)を持っているので、自分の身体がどこからどこまでかを知っているのです。

ただし目には見えない内面に関しては、この限りではありません。自意識とか顕在意識と言われる部分(正確には意識できるマインドの部分)だけが自分の心だと思い込んでいるのです。

そうなると、潜在意識(自覚できないマインドの部分)については全く気づくことができないため、場合によってはマインドが激しく分裂してしまうのです。

自意識ではとても条件のいい相手だと思ってお付き合いしていても、潜在意識ではとにかく大嫌いと思っているかもしれません。

だとしたら、潜在意識の自分はとても酷い目に遭っていることになりますね。気づかずにその人と結婚したら、いずれは離れることになるはずです。

目の前で起きている事象に振り回されて生きていると、潜在意識の存在をすっかり忘れて自意識だけで人生を泳いで行こうとしてしまうのです。

これはまさに頭隠して尻隠さずの状態と同じだということに気づく必要があるのです。外側よりも内側を見ることが大切である所以ですね。