もしも私たちがその日その日に感じたあらゆる感情を味わい尽くして生きてきているなら、夢を見ることはなかったはずなのです。
実際には知らず知らずのうちに未消化の感情が溜まっていって、それをなんとかして消化してもらいたくて、寝ている間に夢として現れるのです。
ちなみに私自身がよく見る夢があるのですが、それは学生の時に試験が間近に迫っているのに、勉強が間に合わなくて焦っているという夢が一つ。
もう一つは、社会人の時に転職して次の職が見つからなくて、こちらも焦っているという夢です。
どちらの夢も焦って困ってどうしようという思考がメインとなっていて、そうした不安が完全には消化できていないのだなということが分かります。
そうした夢の中から目覚める時に、現実の記憶との比較が起きてくるのですが、結果として理性が勝って、今はセラピストになっているということで安心するのです。
目が覚めてからもその不安の余韻が少しは残ることもたまにはあるのですが、それでもすぐに現実の世界の方が夢に勝ってくれるのです。
けれども、夢を生み出す過去のエネルギーがもっと強ければ、目覚めた後もしばらくはそれを引きずることになるはずです。
夢のエネルギーがさらに強大な場合には、夢の世界がいつまでも現実を覆ってしまい、何やらブツブツ言いながら歩いているような人になるのです。
健康な人との違いは、潜在意識に蓄積された感情と思考のエネルギーの強さが際立ってしまい、それに付随して無意識状態になってしまうということです。
夢の事例でも分かる通り、日頃からできるだけ意識的であるように心がけることで、潜在意識の力に負けずにいられるようになるのですね。
なぜなら、潜在意識の部分は完全に無意識状態であるからです。