癖を見守る

人生の大半を戦ってきた人にとって、癒していく中で戦うのをやめましょうと言われても、それを止めるのは至難の業なのです。

なぜなら染みついてしまった自我の癖というのは、それを履行することで自我が生きていけるという相互作用が働くようになってしまうからです。

それは例えば、タバコを吸う習慣がついてしまった人が、禁煙するということに似ていますが、それよりもはるかに困難なのです。

タバコの代わりになるものは、意外と簡単に見つけることができるのですが、戦うことの代替え品を探すのは大変だからなのですね。

「無くて七癖」と言われるように、私たちはそれこそ千差万別の癖を持ってしまっています。

その癖の中身に何か問題があるということではなくて、癖を利用して生きることそのものに問題が内在しているのです。

その一番の悪影響とはなんでしょうか?それは無意識にさせられてしまう傾向が強いということです。

瞬間瞬間意識的で無くても、勝手に癖が決まったパターンを実行させてくれるからです。便利であると同時に、無意識になってしまうということです。

癖を持ってしまっていることを後悔する必要はなく、代わりにその癖を実行しようとする瞬間を意識的に見守ることができればいいのですね。