日々クライアントさんとのセッションを通して、人間のマインドの仕組みについて深い学びをさせてもらっています。
学びというのは知識を増やすというよりも、深い理解を得るということの方が大きいと思っています。
最近は、年老いた母親からもマインドのカラクリを教えてもらう機会が増えてきています。先日のブログでも少し触れましたが、それはもうなかなか興味深いものです。
昨夜の母親の訴えは、毎日通っているデイサービスの施設で、自分一人だけお弁当がなくて食べられない、という悲しい物語でした。
その施設では毎日日替わりでお弁当が出るのですが、どうも各自でお弁当を持ってきていると思っているらしく、自分はお弁当を作ってもらっていないと。
だから毎日お昼ご飯を食べられずにいるということでした。完全な妄想の世界の話しではあるのですが、本人はそれが事実だと思い込んでいるので、その気持ちを思うと辛いものがありますね。
母親のマインドを分析すると、元々ある潜在意識の中の不安を使って、夢の中でその不安のネタとなる物語を作り出すわけです。
そして、うたた寝から目覚めた時に記憶のない現実よりもその夢の内容が事実だと思い込んで、本気で困るという事態を引き起こすのですね。
30分ほど母親の話しを聞く中で、半分は共感につとめ、残りの半分は母親の理性を使って自らの矛盾に気づくように促すのです。
そしてようやく理性の方が優勢になったところで、安心して寝てもらうのですが、毎日気づかせてもらえることに感謝ですね。