幼い頃というのは、当然のことながら大人のようにはできないし、自我が未熟なので周りから助けてもらう必要があるのです。
そんなときに、周囲にいる大人たちが気持ちに余裕がなかったりすると、子供の目線にまで下がって、寄り添ってくれるようなゆとりが作れないのです。
そうなると、子供は大人たちと比べて、自分はこんなこともできない、自分は心が弱い、自分は情けない子なんだと思い込んでしまうのです。
大人のようにはできなくて当然なのに、そのことを教えてもらう代わりに否定的な目で見られてしまうので、必ず自己否定を作り出してしまうのです。
その結果、ちっちゃくて惨めで、情けない自分のままではダメだとして、いきなり偽物の自立を装って、強い自分になろうと頑張るのです。
そうなったら、無邪気さや脆さやナイーブさといった、大切な感性を否定してしまうようになるのです。
無理矢理大人のような自立の自分を作って、周囲にいる大人に混じって負けじと頑張るようになるはずです。
大人になっても弱い自分を認めることができずに、心を強くしたいという思いが消えないのですね。
癒しというのは、心を強くすることとは全く違います。強い弱いではないと気づいて、そのままの自分を受け入れるようになること、それが癒しなのです。
いくら強くなっても戦っている限り、あなたの人生は戦場と同じなので、もうすでに平和なところにいる人には負けているのです。
弱々しい依存を否定して自立の道を歩んできた自覚があるなら、一刻も早く戦いから足を洗って、どんな自分も丸ごと受容する練習をすることです。