潜在意識の成り立ち

使い古された言葉ですが、潜在意識という言葉がありますね。催眠療法によって潜在意識に働きかけるなどと表現したりします。

要するに、潜在意識とはマインドの大部分を占める自覚できない領域のことを指すのです。無意識と呼ぶこともあります。

なぜそんな闇の部分が勝手に出来上がってしまったのか、不思議ではないですか?そんなものがあるばっかりに、癒しに手こずる羽目になったのですから。

私なりの説明ですが、自我の成長段階の最も初期の頃に、一つのまとまった人格を形成するために以下のようなことをするのです。

自我というのは自分一人では成り立たないのです。あくまでも外側からの働きかけによって、自分とはこういうものだというイメージを作り出すのです。

そのイメージを固定化していくためには、外部からやってくる情報のうち、それまでに作ったイメージに近いものは取り込み、違うものは排除するということをするのです。

そうしなければ、いつまで経ってもたくさんの人格が集まった、まとまりのない変な人物になってしまうからです。

その取り込みと排除の仕組みを働かせるために、マインドの表面と内側の間に特別な間仕切りを作ったのです。

その間仕切りは、情報を取り入れる時にはスルーできて、排除する時には鉄壁の障壁となって跳ね返すのです。

そうやって内側を守ることで、人格を固定化して行くことができたのですね。それともう一つその間仕切りの役割があるのですが。

ある程度の年齢になってくると、都合の悪い感情や思考をその間仕切りの中に押し込み、表へ出て来なくさせるのです。

それこそが皆さんもよく知っている抑圧の仕組みです。間仕切りの中は、自覚することができないので、とても都合がいいわけです。

そうやって大人になる頃には、マインド全体の90%くらいを占める無自覚領域が出来てしまうということですね。

自分のことは自分が一番よく知っているなんて豪語する人もいますが、そんなことはないということを理解しておいた方が良さそうですね。