個人である限り満足はない

私たちの共通の課題は、どうにかして幸せになるというところにあるのです。幸せとは満たされた心の状態を指すのです。

これがどれほど原理的に不可能なことかを理解したら、人生を生きる感覚や生き方が変わってしまうのです。

まずはっきりさせなければならないのは、満たされることと一時的な安心を得ることは、全く違うことだと気づくこと。

自我(個人という自覚)として生きている限り、そこにはどうしても防衛が付きまとうのです。

なぜなら、自我は不安と恐怖と孤独をベースに生きているからです。そこから脱出して安心を手に入れたいのです。

それを幸せになることと混同してしまっているのです。人生で自我が手に入れた安心はほんの束の間の一時的なものでしかないのです。

またすぐに不安や孤独がやってきて、その繰り返しなのです。社会でどれほど高い評価を得ても、素晴らしい業績を残したとしても、あなたが自我であるなら満たされることはありません。

問題は人生をどう生きたかということではなく、自分の本質に気づくかどうかの一点にかかっているということです。

あなたが戦い(防衛)から軸足を外して、無防備へと進んでいくにつれ、自我のエネルギーが小さくなっていくのです。

そして自我のせいで気づけなかった自らの愛に目覚めることができたなら、理由のない至福に満たされることになるのです。

あなたは日々何を目指して生きているのか、もう一度じっくりと見つめてみるといいと思いますね。