子供の頃は、父親の実家によく遊びに行きました。東京からそれほど遠くもなく、それでいて自然がいっぱいある環境が気に入っていました。
とにかく途方もなく広い土地の中には、小川が流れていたりして、夏になるとそこに無数のホタルがやってきて、ものすごく綺麗だったのです。
小学生くらいだった自分は、美しい光を点滅させるホタルをどうしても捕獲したくて、確か一匹か二匹くらいを生捕にして、マッチ箱の中に入れて家に持ち帰ったことがありました。
ところが、そのホタルは家に着いた時にはもうすでに息絶えてしまっていて、本当に可哀想なことをしました。
一般的な虫取りもそうですが、なぜ子供達は自然の中で生きている生物をすぐに自分のものにしようと手を出してしまうのか?
どうして綺麗なものをそのままにそっとしておくという考えがないのか?特に男子にそうした傾向が強いように思いますね。
女子の場合には、たとえば野山に咲いている草花を摘んで帰って、部屋の花瓶に生けて飾るなどがあるかもしれません。
自我の所有欲を満たそうとする行為なのか、あるいは探究心からの行為なのかは分かりませんが。
大人になった今は、ただただそのままにしておいて、手を出さないというのが最も気持ちがいいように感じています。
虫はそこで飛んでいたいのだろうし、花はそこに咲いていたいのだと思うようになったのですね。自然は手付かずだから美しいのだと思います。