私たち人間は、その本質である全体性の感覚をすっかり忘れてしまい、代わりに個人(自我)としての自分を生きているのです。
その極端な思い違いのせいで、自分は世界と分離している存在だと信じるようになってしまったのです。
全体だったものがその全体から分離したほんのちっぽけな一部分に成り下がってしまったために、とんでもない欠乏感がついてきたのです。
自分のままで足りないという居ても立ってもいられない感覚、それがあまりにも辛いので不足を外側から取り込むことで満足しようとするようになったのです。
それが私たちのあくなき欲望を生み出したわけです。その根本が間違っているため、何をどれほど取り込むことができたとしても、足りない感覚はあり続けるのです。
それで、あるものを手に入れてその欲望が達成されると、すかさず次のものを手に入れたくなって、これが永遠に続くことになるのです。
それはそうですよね、自分は足りないという感覚は個人という間違った思いからやってくるので、自我がある限りは不足感は消滅しないのです。
この仕組み、自我の秘密をしっかりと理解することです。そうすれば、あくなき欲望の愚かしさに気づいて、求めることをやめることになるのです。
求めなくなった人から、ゆっくりと自分の内側にこそ最も大切な秘密が隠されていると分かるようになるのです。
ただ単に自分の本質は全体性なのだと気づくこと、これ以外に満たされるということはないと知ることですね。