死は安全、生は危険

生きて死ぬ、これが誰にも平等に起きていることですね。死は限りなく安全であり、逆に生は危険なものです。

これが自然の摂理であり、これに逆らうことはできません。ですが、人間だけが生を安全なものにしたいと常に望むのです。

他の動物にはない未来という概念を人間が持っているためなのでしょうね。予期不安を払拭したいがために、安全を求めることになるわけです。

それを私は心理的自己防衛と呼ぶことにしています。つまり、私たちのマインド、エゴというのは自己防衛こそがライフワークとなっているのです。

けれども、どれほど知能が発達したところで私たち人間が自然の摂理を変えることはできませんし、それに逆らうことは理に反したことなのです。

それならば、今一度「死は安全、生は危険」ということを思い出し、そこから逃げられないことを認めること。

もしも安心安全ばかりを求めるなら、それは生きているように見えて、実は死んでいることになってしまうのです。

危険は決して悪いことではなく、危険から逃れようとして生を台無しにしてしまわないようにすることが、大切だということですね。

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