他の動物にはない、人間だけに特徴的な精神活動があるとすれば、それは自己否定だと言えますね。
つまり自己否定ほど人間らしい精神活動はないとも言えるわけです。自分で自分のことを否定するのですから、なかなかどうして不思議な状況なのです。
自己否定にもいろいろなレベルのものがあって、ちょっとしたミスをして「俺ってバカだな〜」というような軽いものであれば問題ありません。
一番困るのは、ダメ出しの理由をいくら追っていっても実はよく分からないところで自己否定をしている場合なのです。
このレベルの自己否定は自己存在の否定なので、理由がいらないのですね。それだけに、一度この否定を作り出してしまうと、簡単には取り外すことができなくなってしまうのです。
やっかいなものですね。けれども、所詮は人間としての精神活動、つまりマインドの働きの一つに過ぎないということを理解できるなら、それは自動的に落ちて行くのです。
マインドの仕組みを理解すれば、自己否定をする理由がはっきり分かるのです。そもそも、マインドというのは精神活動そのもののプロセスのことであり、これと言えるような実体があるわけではありません。
そのために、自己否定などの面倒な問題を持つことによって、それ自身の活動を続けることができるわけです。
もしもしつこい自己否定感に悩んでいるという自覚があるのでしたら、是非一度マインドを深く理解することにチャレンジされるといいと思います。