惨めさの隠蔽に気づく

怒りという感情は、ネガティブなものと受け止められがちですが、それは怒りがあると人は攻撃的になって、相手を傷つけてしまうと思われているからです。

けれども、攻撃するのに怒りは必要ありません。ボクシングで相手にパンチを繰り出すのに怒りは不要です。

逆に怒りがあったら、冷静さを失って試合に負けてしまうでしょうね。戦争で敵に銃弾を浴びせる時にも、怒りがない方が正確に的を射るはずです。

だから、怒り=攻撃的(暴力的)と直感的にみるのをやめることです。そのためには、怒りの正体を見破ればいいのです。

マインドが怒りを生み出す瞬間に意識的であれば、なるほどと分かることがあります。実は怒りの正体とは、惨めさの隠蔽なのです。

マインドは、思考によって自分は惨めだと思い込む時に、そこから目をそらしたいがために怒りという強い感情を利用するということです。

惨めさとは、意識的であれ無意識的あれ想定していたことと、現実に起きたこととの間のギャップによって思考が作り出すもの。

なんであれ起きたことだけがそこにあるなら、惨めな思いは発生しないのです。つまり、惨めさから解放されるためには想定をやめること。

そして「惨めさ」とは事実ではないということにつねに気付いていること。それができるなら、惨めさを隠蔽する必要がなくなるのです。

そうなれば、隠蔽するために使っていた怒りからも、その他の人生を台無しにしてしまう防衛からも解放されることになるのですね。