思考と感情の関係

私たちが日頃感じている感情について見てみると、その多くが何らかの思考によって生み出されているということが分かります。

勿論、中には何の理由もないのに、ただ夕日を眺めているだけなのに悲しみに襲われたりといったことがないわけではありません。

直接的などんな理由もないのに、込み上げてくる感情があるのは事実ですが、大抵の場合には理由、つまりそこには思考があるのです。

自分は独りぼっちにされたと認識することで、悲しみがやってくるでしょうし、得体の知れないものに追われて危険を察知したら、恐怖がやってくるのです。

ところで思考が原因となって起きる感情を、そのまま感情として味わってあげることができるなら、その感情の元となる思考には執着せずに済むのです。

逆を言えば、やってきた感情から逃げたり蓋をして見ないようにすればするほど、元となる思考にこだわるようになるということです。

先ほどの例で言えば、独りぼっちにされたことで悲しみがきたときに、その悲しみを隠してしまうと、独りぼっち感が持続してしまうのです。

その悲しみを思い切り感じ切ってあげるなら、独りぼっちということをそれほど大きな問題として見なくなる可能性があるということです。

イメージしていただければいいのですが、「思考→感情」という流れがあって、その感情を温存するなら、「感情→思考」という正帰還ループが起こるということです。

どんな種類の感情であれ、それそのものを悪いとかいいとか判別するのは間違っています。問題は、感情を感じずにいることと、その元となる思考なのですね。