義務と責任を全体に返す

最初の呼吸は全体によってなされる
そして、もし最初の呼吸が全体によってなされるのだとしたら
ほかのあらゆることも
あなたの行為ではあり得ない
もし自分で息をしていると思ったら
道を踏みはずしているのだ
そしてこの誤ったステップのために
自我が生まれる
自我とは蓄積した無知のことだ

by osho

私たちが社会の中で生きていくためには、自我(エゴ)がなくてはならないのです。そのため、幼子の自我が正常に成長するように促すわけです。

万が一、自我の発達が阻害されでもしたら、社会にうまく順応することができなくなってしまうかもしれないからです。

その大切な自我のことを、osho は蓄積した無知と言っているのですから、どれほど常識から逸脱したことを表現しているのか分かります。

自我は自動的に発生するものではなく、すでに成長させた自我を持っている親に育てられる過程で、子供の中にも同じような自我が芽生えるのです。

但し、一度自我が成長してしまったなら、今度は自我は実在しないということを見抜くことこそが、最大の気づきであるということです。

なぜなら自己の本質を知らずに生きていることこそが、私たちの本当の苦しみの原因だからです。自我はあなたではありません。

自我とは、あなたがこれこそが自分だと長年信じ込んで来た「私」のことを指すだけなのです。

自我を自己と同一視することによって、義務と責任が生まれるのです。自我はそれを立派に果たすことで、自己満足しようとするのですが、それは必ず敗北します。

全体(存在)はあなたの自我のことなど構ってはくれないからです。義務と責任を全体に返すことこそが、明け渡しへの道なのです。

そのときに、元々実在しない自我が消えていくのですね。