どんな感情も悪いものではないのですが、ことさら怒りをいけないものだと思っている人が多いのではないでしょうか?
そのために、怒りを露わにしたすぐその後で、また怒ってしまったけれど、もう金輪際怒らないようにしようと頑張るのです。
けれどもそんな決意を何千回したところで無駄なことは、本人が一番よく知っていることです。決意よりも、深い理解こそが必要なことだと気づくことです。
怒りの下には必ず惨めさが隠れています。見方を変えれば、まず初めに惨めさがやってきて、それを隠す目的で怒りという覆いを被せるのです。
つまりその惨めさから一歩も逃げずに、それを真正面から見ることができれば、怒りは不要なものとなるはずなのです。
だから怒りを悪者扱いすることをまずやめて、怒りを感じたら惨めさから自分を守ろうとしているのだと気づけばいいのです。
それができれば、怒りは自然消滅してしまうでしょう。ただし、今自分が怒りを感じているということに気づくためには、そのときに充分に意識的である必要があるのです。
そしてもう一つ理解しておくべきこと、それは惨めさの原点です。エゴは生まれながらにして惨めさを抱えているということ。
個人として生きることの不安と孤独という惨めさがどこまでいっても付いて回るのです。そのことも合わせて理解しておくことですね。