自己否定がやってきては去っていく程度のものであれば問題はありません。誰だって、失敗したり他人から嫌味を言われたら、自己否定感を持つでしょうから。
そうした一時的な否定はあって当たり前なのです。問題は、マインドの底にへばりついて拭い去ることのできないような永続的な自己否定なのです。
そのような自己否定というのは、人生の初期の頃に作り上げてしまったものなのです。そして本人は、その否定、ダメ出しは当然のものだと感じているのです。
たいていの場合、〇〇のような自分、〇〇ができない自分、〇〇をしてしまう自分、だからダメなのだとしてダメ出しのれっきとした理由があると思っているのです。
けれどもその理由は後付けしたものなのです。本当の自己否定というのは、自分自身には理由のないものなのです。
理由なき否定、つまり存在否定です。存在を否定するのにどんな理由が当事者にあるでしょうか?自分独りだけで存在否定することは不可能ですね。
それは主に親兄弟との関わりの中で、本人が勝手に思い込んでしまうのです。その思い込みが強すぎて、動かしがたい事実だとしてしまうのです。
そうしてその自己否定は間違ってなかったことを証明しようとするマインドと、頑張ってその自己否定を何とかして払拭しようとするマインドとに分裂してしまうのです。
このようなマインドのカラクリに気づかなければ、一生が悪あがきで終わってしまうかもしれません。大切なのは、とにかく自己否定をやめられないマインドを理解することです。
深い理解がやってきたときに、自然と自己否定は消えてしまうでしょう。なぜならニセモノというのは、光を当てられたらもたないからですね。