この仕事を始める前に、催眠療法のとあるスクールに通っていたことがあるのですが、その時に同期の友人が別の何かのトレーニングに参加して意気揚々と戻ってきたのです。
その時に彼が「人生はゲームのようなもの」と笑いながら話しているのを聞いて、何だか若干腹が立ったのを覚えています。
当時は何故腹立たしい気持ちになったのかは、深く見つめることもなかったのですが、今ならその理由がはっきりと分かるのです。
それは、サラリーマンを辞めて、これからの人生をどのようにやっていけばいいのか、少なからず深刻に考えていたからでしょうね。
ゲーム感覚で今後のことを考えることなどできなかったからなのです。今でも人生はゲームだという表現が妥当かどうかは定かではありません。
けれどもその代わりに、私がよく使っている表現は、人生という物語という言い方です。その物語の中で悲喜こもごもがあるわけです。
そして何が起きても所詮は物語だと分かれば、仮に深刻になったとしてもそう長続きはしなくなってしまうのです。
ゲームのプレイヤーなのか、つまり物語の演者なのか、あるいはそれをただただ見ている意識なのかという点こそが一番大切な気づきなのですね。