先ほどテレビのとあるバラエティ番組を見ていたら、胡散臭そうな若手の評論家のような人物が、珍しく身のあることを言っていたのでびっくりしました。
それは、恐怖を減らすにはどうしたらいいかを検証する実験についてなのです。不気味なクモを三人の被験者に見せて、それぞれに次のように言わせるのです。
一人は、「こわいこわい!」、二人目は「ぜんぜん怖くない!」、最後の一人にはまったく異なる別の言葉を言わせるというものでした。
そして一週間後に、その三人のうち誰がクモに一番近づくことができるかを検証することで、最も恐怖を克服した人を見つけ出すのです。
結果はどうなったかというと、実は「こわいこわい!」と言わされた人が最もクモの近くに行けるということが判明したのです。
私としては、この結果は当然のことなのですね。つまり、恐怖をどれだけ認めて、その感情から逃げずに味わうかが勝負で、それができた分だけ恐怖が減少するということなのです。
つまり、恐怖をそのまま表す言葉である、「こわいこわい!」と言う言葉を何度も繰り返すことによって、その恐怖を認めて、受け止めたことになるのです。
このことは、恐怖に限らず悲しみや不安、罪悪感や怒りなどのあらゆる感情に対しても言えることなのです。その感情に無防備に接することこそが、その感情から開放される唯一の方法だということです。
認めるとか受け止める、あるいは感じつくすなどと言われてもピンと来ない場合には、その感情を表す言葉を繰り返し言葉に出して言えばいいのです。
それなら簡単ですね。どのくらいの効果があるのか疑問であれば、実際に試してみることを強くお勧めします。一度、その効果を実感できたら人生が無敵になるかもしれませんよ。