世の中には自分と他人しかいません。そして、他人とは、自分ではない人のことであることから、自分という想いがなければ他人という存在もないことになります。
したがって、ここに自分がいるというのが真実でなければ、他人がいるということも真実ではないということになります。
そして、このブログで何度もお伝えしているとおり、自分がここにいるというのは単なる想い、つまり思考であるので、他人がいるというのも思考に過ぎないのです。
自分がここにいる、あるいは他人がそこにいる、そのどちらも同じように事実ではありません。これこそがまぎれもない真実です。
私たちの存在自体が思考の中でのお話しなので、こうした思考と事実の違いについて、どうしても受け入れることができないと感じる方が多いのも頷けます。
けれども、是非原点に立ち戻って、つまり今まで長い間かけて培ってきてしまった自分の常識を脇に置いてみることをお勧めします。
なぜなら、そうしてみたところで何も支障はありませんし、何かを失うこともありません。逆に視点を変えることができるかもしれないのです。
私たちは事実を知っているのではなく、思考の内容を信じているに過ぎません。私たちは事実をそのままに知るということができないのです。
だからこそ、信じることしか本当はできないでいるのです。一つの嘘を信じてしまい、それを二度と疑わなくなると、それに連鎖した嘘を次々と重ねてそのすべてを信じなければならなくなってしまうのです。
その結果、実は私たち人類だけが特殊な苦悩を持つことになったのです。ほかの動物にはない苦しみとは、個人として生きる根源的な苦悩です。
そこから開放されるには、一番最初に信じた嘘を凝視してみることです。そして、その嘘を暴くことができたなら、それまでの苦しみはただの小さな痛みへと変換されるでしょうね。