悔い改める?

私たちの文化の中には、何か間違ったことをしてしまったり、人に迷惑をかけてしまうようなことをしたときには、そのことを悔い改めなさいという教えがあります。

この「悔い改める」という言葉の中には、大きく二つの要素が含まれていると考えられます。その一つは、「悔いる」つまり、後悔するということです。

否定的な響きを感じる言葉にすれば、「悔やむ」ということでもあるのです。そしてそれは、罪悪感を妥当な分だけ持ち続けるということでもあるのです。

そしてもう一つは、「改める」つまり反省して言動を修正するようにするということです。このように、まったく異なる二つの要素をごちゃ混ぜにしてしまっていることが多いのです。

自分の間違いに気づいて、それを正面からしっかり見据えたうえで、つまり充分な反省をした先に、言動を修正していくということが理想的なのです。

そして、本当はそれ以上のことを誰も求めるものではありません。けれども、私たちは自己防衛の一つの要素として罪悪感を利用してしまうのです。

後悔とは、罪悪感や自己否定感によって自分を責めることを意味しますね。自分の罪に対して、自ら罰を与えることで最終的には自分を守ろうとする心のメカニズムなのです。

いかなる場合であろうとも、後悔や罪悪感は必要ではありません。でももしも、いつまでも罪悪感に苛まれるようなら、それを思い切り感じきってしまえばいいのです。

無防備に罪悪感の中へ入っていくことができれば、必ずそれは消滅へと進んでいきます。あとは、ただただ反省すればいいのです。