あなたが夜眠っている間に夢を見たとしましょう。その夢の中で、あなたはある部屋の中に閉じ込められているとします。
あなたは、その部屋のことが嫌いで、とにかく何とかして出て行く方法はないものかと考えあぐねているという設定の夢です。
あれこれ試してみたものの、疲れたり怪我をして痛い目にあったりするだけで、思うようにその部屋から出て行くことができずにいます。
人からいい方法があると聞けば、それを試してみるのですがやっぱりうまくいきません。もうあきらめようかとも思ったりするのですが、しばらくするとまた気を取り直して試行錯誤が続くのです。
そんなときにふと、あれ、これって夢かもしれないと気づくのです。ということは、本当の自分はこの部屋の外側にいるということになります。
部屋の外というよりも、この部屋を作った張本人が自分だったと気づいたわけですから、ちょっとした驚きですね。
なあ~んだ、じゃあこの部屋から出ようが出まいが、どちらでもいいじゃないかあ、と思ってみたものの、やっぱり夢の中のあなたはその部屋から出たいという気持ちは変わらないと知るのです。
けれども、夢だと気づいた瞬間から、その部屋から出たいという気持ちに表現できない変化がやってきているのも事実なのです。
それは、部屋から出たいという思いの切実さだったり、深刻さというものが薄れてしまうということかもしれません。
もしかしたら、他の人からは気づかれないような変化かもしれません。それでも夢の中のあなたはとても大きなゆるぎない安心感を手に入れたことは間違いないでしょうね。