自分は動いていない、あの感覚

今年の2月から以前のようにほぼ毎日スポーツクラブへ行くようになりました。一番の目的は、勿論おじさんにとっては、かけがえのないサウナなのですが、一応水泳もするようにしています。

ところが、一ヶ月経っても二ヶ月経ってもなかなか、以前のようにスムーズに泳ぐことができずにいました。ちょっと泳ぐと、すぐにゼイゼイ息があがってしまうのです。

やっぱり3年半のブランクは大きかったのか、それに年齢のことも考えると、もう元には戻れないのではないかと半分諦めていたのです。

けれども、ある日突然、本当に急に自分が楽に泳いでいることに気がついたのです。体力も少しずつ回復しつつあったし、泳ぐときの力みが緩んだのかもしれません。

理由ははっきりしないまま、とにかく劇的にラク~に泳げるようになったのです。休み休み500メートルだったのが、休まずに1000メートル泳いでも平気になりました。

あらゆる泳ぎの要因が同時にカチッと揃った感じといえばいいのでしょうか?それで気づいたことがあります。

それは、楽になって余裕ができたら、自分が前へ進もうと頑張っていないということが分かったのです。それと同時に、自分は動いていない、あの感覚を取り戻したのです。

思い出そうとしたわけではなくて、楽になったら自然と思い出すことができたということです。自分が一ミリも動いていないというあの感覚は、本当に心地いいのです。それを思い出せたおかげで、さらに楽になれたのも事実です。

歩いているときや、クルマを運転しているときには、思い出すようにはしていたのですが、水泳のときは苦しくて忘れてしまっていたのですね。

みなさんにもお勧めします。透明で大きさも形もない自己は、移動することは不可能です。その視点で周りを見ると、過去も未来もなくなります。