人生で一番大切なことは何かと聞かれたら、きっと「今この瞬間を見る」ということだと答えると思います。
それは、何の特別なことでもありません。特別な能力も必要ないし、特別な状況も必要としません。集中力もいらないし、労力も努力も何もいらないのです。
お金もかからないし、自分ひとりでできるので、誰かの助けもいらないのです。時間もかからないし、いつでもどこでも可能なのです。
つまり、これほど単純で簡単で大人でも子供でもできることなのに、多くの人がそれをせずに人生を終えていってしまうのです。
なぜなら、「今この瞬間を見る」ことに殊更の興味を持っているわけでもないし、過去のことを悔やんだり、明日のことを心配することの方に馴染んでいるからです。
このまま赤字が続いたら、家族共々路頭に迷ってしまうというのに、何をのんびり「今この瞬間を見る」などと言っていられるか、ということです。
確かにそうかもしれません。やらねばならないことは沢山あるし、今この瞬間を見ているだけではそのことは一向に片付かないのは明白です。
けれども、私が言いたいのはやるべきことをやりながらでも、それを計画しながらでもいいので、ほんの短い間でもいいから「今この瞬間を見る」を実践して欲しいのです。
難しいことではありません。やるかやらないかという単純な選択があるだけです。もしも、しばらく実践し続けることができたなら、「見る」ということが過去や未来から開放されることに気づくはずです。
それは思考に巻き込まれることから開放されるということなのです。いつでもどこでも、耳を澄まして、今この瞬間を見てください。
思いもよらない何かを体得できるはずです。それを言葉で正確に表現することはできませんし、人生が直接的に変わることでもありません。
それでも、今を見ることです!!