ここだけの話しですが、心の癒しはどんなにすぐれたセラピストのところへ通っても、どれほど真面目に言われたことを実践したところで、自分が思ったようには進んでいかないものです。
いくら頑張っても、何も変わらないじゃないかと怒りを覚えることもあるかもしれませんし、その逆に気が付いたら何だか楽になっていたということもあるのです。
実のところ、癒しは向こうからやってくるものです。自分の力で前へ進めていけるものと思っているとしたら、それは人間の驕りです。
癒しに限らず、人生がどうなっていくのかということは、100%神の意志に委ねられているものです。そのことを、すべては神の御心のままに、というのですね。
だからといって、じゃあ何もせずにただ寝そべっていればいいのかというと、そんなことはありません。自分にできることは精一杯するのです。
その上で、どんな結果になるかは神の御心のままであるということを忘れないということです。このことを忘れてしまうと、私たちは苦悩することになります。
なぜなら、自分のコントロールどおりになど人生は決して推移してはくれないものだからです。エゴは上手に、思い通りの人生を手に入れられると錯覚する作戦を取ることがあります。
でもそれも一時的なことです。そのことにほだされることなく、人生を物語として見ることのできる視点を育てることです。
その視点こそ、過去や未来といった思考に翻弄されずに、その時々のありのままの自分にOKを出せる成熟した大人の意識なのです。