心を開くためには、どうすればいいですか?という質問をされることがあります。誰だって、心を閉じたままでは生きづらいということを知っているからですね。
けれども、理性によって心を開くということが難しいということも事実としてあります。だからこそ、切実な思いとしてそうした質問をすることになるのです。
心を閉ざしているのは自己防衛のためであり、心を開くというのはその自己防衛を少なくするということにほかなりません。
とはいっても、具体的にどうすればいいかということには確かに答えてはいないですね。一つの方法として、本音を吐露するということがあります。
自分の気持ちと正面から向き合って、できるだけ自分に正直になるのです。ただし、正直になるからといって、言いたいことをただ言えばいいということでもありません。
愚痴ばかり言っている人に、愚痴は防衛していることになると伝えても、愚痴ではなくて事実を伝えているだけだと反論されることがあります。
勿論、嘘をついていると言っているわけではありません。その訴える気持ち、自分の気持ちを分かって欲しいという思いを脇へ置いてみるのです。
そうやって、ただ自分の正直な心の声に耳を傾けることによって、まるで独り言でもつぶやいているように告白するのです。
それは、誰かに訴えることとはまったく違うものです。告白するように、本音を吐露するときには、人は概ね無防備になるものです。
それが、その人の心を開くことになり、結果として周りの人たちの心を捉えることになるわけですね。