「自己防衛システム」の本性 その2

「自己防衛システム」が強力になり過ぎてしまうと、バランスの取れた大人へと成長することが難しくなってしまいます。

バランスというのは簡単に言ってしまうと、自由奔放な無邪気な自分と、ルールベースで社会性のある自分との間のつりあいが取れているかどうかということ。

「自己防衛システム」が強すぎると、前者の部分が否定されて身動きが取れなくなるだけでなく、後者の自分が強大になってそれ自体を自分自身と勘違いしてしまうのです。

どちらも大切な自分の部分なのですから、互いを補完しあうように使うことのできる大人がもっとも不自由を感じない人生を生きることになります。

セッションにいらっしゃる多くのクライアントさんに共通するのは、このバランスが崩れてしまっているということなのです。

あまりにも、自己防衛ばかりにエネルギーを費やし続けてしまうと、どこかで精神的な破綻がやってくるのですが、それは自由奔放な無邪気な自分がストライキを起こすからです。

そうなると、突然逆転現象が起きて、今までのような真面目でエネルギッシュに頑張る自分が影を潜めてしまい、身体が重くなっていわゆる鬱状態となるのです。

しばらく静かにしていると、また防衛システムが元気を取り戻すことでかつての頑張って見捨てられないようにする人生に戻ることになるのですが、いずれはまたストライキに突入するといった繰り返しが起きてきます。

そして、本当に困り果てたとき、あるいはセラピーなどを受けることで、「自己防衛システム」を見ることを学び、その影響を小さくすることができることに気づくことができるのです。