物語の外に在る自己の本質に気づく

私たちの人生という物語は、問題を見つけてはそれを解決するということの繰り返しによって成り立っているのです。

私たちは、あらゆる不平不満を抱きながらも、こうした「問題→解決」という永久ループから一向に抜け出したいとは思わないでいるのです。

それがなければ、物語は成立しません。でも、その繰り返しにホトホト疲れてしまったというのでしたら、本当はその物語の中に自分はいないということに気づくことです。

物語というのは、思考の中にしか存在しません。勿論、その物語の主人公としての自分という存在も、同様にしてその思考の中だけに生きているのです。

一時的にでも、その思考から抜け出すことができたなら、そこには当然のようにしてここにいると信じていた自分はいないということに気づくことになります。

自分に対して、そのように物語の中にはいないという体験を何度もさせてあげることです。そうやって、ナニモノでもない自己への注意を通して、無防備に物語を見ることができるようになるのです。

問題を解決するという自己防衛のシステムを見限って、それが物語りを永続させているということを悟って、物語の外に在る自己の本質に気づくこと。

それは何物にも代えがたい、真に落ち着いた心の状態へと連れて行ってくれるのです。やることは簡単、時々思考を見、自分とは?という問いを繰り返すだけ。

そうした心の行為が、過去と未来を往復する思考をストップさせて、注意を今に固定してくれるのです。試す価値はあると思いますよ。