私たちの誰もが3歳くらいからずっと続けてきたこと、それは自己防衛です。自分の身は自分で守らなければならないという強烈な思いがそこにあるのです。
その原動力は恐怖に他なりません。全体性としてただ在るだけの自分であったはずなのに、次第に気が付いてみるとここに自分がいたのです。
正確に言えば、これが自分であるという自己認識をするようになったのです。この自己認識は事実ではなく、単なる思考、つまり思い込みなのです。
全体性から分離して惨めで何も一人ではできない情けない自分が突然ここに現れてしまったのですから、そこに恐怖があるのは当然のことです。
その恐怖は生物としての本能である死の恐怖がその中心にあるのですが、そこに自己認識が加わることで、その恐怖は何倍にも膨れ上がってしまうのです。
そしてその恐れは、ずっと心の底にあり続けるわけです。本能的な恐怖であれば、本当に命が危ないときにだけ感じるものです。
けれども、私たちが3歳を越えたあたりから感じるこの恐怖は、途絶えることなく常にあるものです。だからこそ、ずっと自己防衛を続けてきてしまうのです。
その自己防衛の中でも、もっとも異色なのは自己防衛をしていることに気づかないようにする自己防衛なのです。
そのため、クライアントさんは自分がどれほどのエネルギーを自己防衛のために使い続けてきたかに気づいていない場合が多いのです。
一度気づいてしまえば、少しずつですが自己防衛をしないでいるという選択肢を見つけることができるようになるはずです。
これが自己防衛を減らしていく第一ステップであると言えます。