私たちは、自分の独自の考え方や捉え方によってのみ、物事を見て判断を下してしまうという傾向を持っていますね。
簡単に言えば、自分の中では確実に白か黒かをはっきり結論づけてしまい、おまけにそれ以外の考え方を受け入れないという傾向があるということです。
幼いころのことを思い出してみればすぐに分かることですが、子供というのは何でも単純化して見るということをしているのです。
それは、弱い立場であるからこそ、結果を明確にすることで自分を守りやすくしようとする作戦であるとも言えるのです。
向こうからやってくるおじさんがいい人なのか、あるいは悪い人なのか、はっきりしなければ対処の仕方が決められないので、困ってしまうわけです。
ニコニコ笑って迎えるのか、目を合わせないようにしてやり過ごすのか、子供はどちらか一方に明確に決めなければならないのです。
いい人なのか悪い人なのかが不明、またはその中間では対応の仕方に困ってしまうからです。つまり、物事を白黒はっきり区別しなければ安心できない心の状態なのです。
それが幼い頃の心理状態なのです。そうした物事の単純化が大人になっても根深く残ってしまうと、物事の見方自体が硬直化してしまうのです。
十分に成熟した大人の心理では、どんなものでも白と黒の間のグレーゾーンにあるということに気づいているのです。
それはつまり、自分の見方とは違う他人の見方があってもおかしくないという、心の広さを作り出すことになるのです。
物事には、その人の主義や生き方などによって、様々な捉え方があって当然なのだということを前提に、自分独自の判断をすることができる余裕ができるといいですね。
そのためには、やはり白黒はっきりつけたがる、心の中に残っている子供の意識、つまりインナーチャイルドを癒すことがなによりも必要なことなのです。