小学生のときに、確か図工の授業か何かで、各自が自由にポスターを作るというのをさせられたことがありました。
私は、絵を描いたりするのがとても苦手なので、楽しくない時間だったことを覚えていますが、そのときにクラスの生徒の結構な人数が申し合わせたように、「世界平和」というのをテーマに選んでいました。
普段だれもそんなことを言う奴はいなかったはずだし、自分はそんなテーマには特別な関心もなかったので、とても意外でした。みんながちょっと大人に見えたものでした。
そんなことがあって、それ以来自分でも日本は平和でありがたいという思いが、遅ればせながらもようやく芽生えたことを覚えています。
誰もが争いのない世界を願っているわけですし、日本は、幸運なことに敗戦後67年の間は、国をあげての戦争には巻き込まれずにやってこれました。
けれども、残念なことに人類の歴史は血にまみれた戦いの連続でしたし、それは世界の各地で今もって続いています。
勿論日本も敗戦前までは、多くの戦争の歴史を持っていますし、それがいかに多くの国民の安らかな生活を無残なものにしたかを知っています。
ところが、戦争を忌み嫌う気持ちが、ただ戦争を否定するだけではなくて、大切な人たちを守るために仕方なく戦わねばならなかったという事実までも否定するようになってしまいました。
これはとても由々しきことです。大切な家族が暴漢に襲われそうになったら、自分の命をかけて戦って守ろうとするはずです。そのときに、平和を愛すると唱えても意味がありません。
まだまだ人類のレベルでは、残念ながら戦いが起こるのです。そのことから、決して目を背けてはならないのでしょうね。その上で、戦いを抑止する最善の方法は何かを、みんなで考える必要があると思います。
そして、戦争も一つの物語なのだということを、いつも忘れないでいることです。そうすれば、戦うことから逃げずに真正面から向き合うことになるはずです。
平和主義と事なかれ主義の違いにしっかりと気づくことによって、それが生と死をいつも身近に感じながら生きることに繋がっていくはずなのです。