幸せへの大きな扉

私たちのあらゆる苦悩は、自分は外の世界とは別の存在であるという思いからきています。自分が生まれるずっと前からこの世界は存在していて、そこに産み落とされたのが自分だという認識があります。

自分という固体が生存する環境がこの世界だと思い込んでいます。つまり、自分以外の存在というのはすべて本当には分からないものだということになって、それはとても恐ろしい状態であると言わざるを得ません。

分からないということが恐怖を作り上げているとも言えるからです。分からないことは不気味であり、いつも自分の身をそれらから守らねばならないと思うのです。

周りにいる人たちは所詮自分と同じ人間であるからそれほど怖くはないと思いたいところですが、実は本当は何をされるのかどんな可能性でも考えられるわけですから、恐れがなくなるということはないのです。

お化けや幽霊も得体が知れないので怖いことは怖いですが、私たちが本当に恐れているのは一緒にこの世界で生活している人間だと言っていいと思います。

そうやって、つまるところ自分と他人との間に明確な対立関係が出来上がってしまっているのです。対立は緊張を生みます。だから、肩こりや疲労を誰もが経験するのです。

そして自分のことをこの大きな世界の中の小さな小さなけしつぶのような存在であると思えば、自分には不足しているものがたくさんあると思っても仕方ありませんね。

その足りないものを手に入れられたら安心できるし、それを奪われないでいれば幸せになれると思ってしまうのも当然だと言えます。

でも、もうそろそろそうしたことが自分を本当には幸せにしてくれないということに気づいてきてしまっています。目標を変える必要があるということですね。

それには、自分とは本当は誰なのか、何なのかということを突き詰めて見直さねばならない時期に来ているのではないかと思います。

本当の自分は決して小さな取るに足らない一つの固体ではないということです。自分を感じたときに、この肉体の中に自分がいると本当に感じるかどうか、試してみることです。

生まれたばかりの赤ちゃんにでもなったように素直に、何も知らない無邪気な幼子のように、感じてみて下さい。自分が決してこの身体の中になどいないと分かるはずです。

そこにこそ、本当の幸せを見出すチャンスが大きな扉を開けて待っていてくれるのです。

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