以前このセッションルームのちょうど上の階に住んでおられたご家族に小さな男の子がいて、元気があまって時々かけっこをしているような音がしていたことがありました。
普段とても静かな部屋なので、天井からドンドンと踵でたたくような音が聞こえると、うるさく感じて気持ちがトゲトゲしくなることもありました。
そんなときに、自分の息子の幼い頃のあの愛しさを思い出して、その息子があの音を出しているんだと想像すると、だいぶ心が和らいでくるのを経験したのです。
ああ、これはいい方法が見つかったと思って、確かこのブログにも書いたことがあったと思います。その後、そのご家族は引っ越して行ってしまわれたので、あの音はもう聞こえなくなりました。
そしてそんなことはずっと忘れていたのですが、今月に入ってからだと思うのですが、近くのマンションの大規模な改築が行われていて、コンクリートを打ち砕くあのひどい音が続くようになりました。
ヒプノのセッションのときに邪魔になるから、早く終わってほしいなと思うのですが、未だに朝から夕方まで断続的にその激しい音が聞こえてきます。(不思議とヒプノの時にはやむのですが…。)
それで、ふと思ったのです。あの工事をしている男性(勝手なイメージで中年の黒く日焼けしたヘルメットをかぶった汗臭い人)のご両親にしたら、本当にお仕事ご苦労様と思ってるんだろうなと。
その瞬間、自分が持っている子供に対する親心とリンクしてしまい、その音がまったく気にならなくなってしまったのです。その工事をする知らない中年男性を愛しく感じるのです。
そうしたら、月並みなのですが、すべての人の親になった気持ちがやってきて、誰のこともそういう気持ちで見ることができるのです。
これは何とも穏やかな暖かな気持ち、自分の心の中にこんなやさしい思いがあったのだと気づいてびっくりしてしまいました。
これは、最近のささやかな気づきにおいて、自分の本質がすべての根源なのだということを知ったことが大きく影響しているように思います。
ものすごくいい気持ちになれるので、みなさんも試してみてください。やって損になるようなことは、一つもないですからね。