現在という瞬間

過去と未来のことをあまり意識しないで済むときって、どんなときがあるかなと考えてみました。自分の場合には、レースゲームに夢中になっている時がもっとも身近です。

それと、お笑い番組を見て大笑いしている瞬間ですかね。実は大笑いできるのなら、別にテレビなどの映像に限らず、気のおけない友人たちと一緒の時もありですね。

あとは、自分なりの瞑想らしきものをしているときも、うまく行くとそうなることが時々あります。他にもあるのかもしれませんが、今思い出せるのはそんなところかもしれません。

逆に過去と未来を意識してしまうときはどんなときかも考えて見ます。過去については、大抵は誰かのことについて思い出している場合だと言えますね。

最近は、いやなことを回想することが少なくなってきているので、あの人こんなこと言ってたなあという他愛のないものを思い出すことが多いです。

一方、未来について意識をめぐらすときというのは、もうほとんどが何か不安なことを感じている場合だと思いますね。

経済的な不安や、病気などの身体の具合の悪さからやってくる不安を感じているときに、何となく近未来のことを思っているように思います。

総じて今よりも会社員だった頃のほうが、圧倒的に多くの時間を過去や未来に向けていたんだろうなというのは自覚できます。

ということは、以前よりもだいぶ過去と未来へ注ぎ込むエネルギーが減ってきたと言えるんでしょうね。だからそれだけ心が平安でいることが増えてきたということだと思います。

癒しの本質は、過去を手放すことです。過去を切り離すことができると、自然と未来も見ないでいられるようになります。

過去は必ず未来を限定してしまうからです。そして、過去への思いというものは、自分を限られた未来へと縛り付けてしまうのです。

私たちの本当の自由とは、過去から開放されることなのです。そしてそれはそのまま未来からも開放されることになるのです。

時間というものを、過去→現在→未来というような流れの中で意識してしまうと、いつまでたっても過去と未来という牢獄から抜け出せなくなってしまいます。

それは一番大切な現在というものを体験できなくしてしまうのですから。現在だけが、時間という牢獄から自分を解放することのできる唯一の瞬間なのです。

瞬間とは、一瞬で終わるものではなく、もっとも永遠に近い体験ができるときなんです。私たちの本質とは、現在という瞬間の連続でできているんですね。

時間は現在という真実を体験することを妨害するものでしかないということに気づくことです。できるだけ工夫して、過去と未来を意識からはずせるときを作るようにしたいものです。

それこそが本当の幸せに気づくことができる方法なのですから。