幼い子供が大声で泣いている姿は日常的にどこででも遭遇することができますが、大抵は微笑ましく見てしまいますね。
それでも激しく泣き続けるようだと、どうしたんだろうと遠巻きながら不安になったりもします。可愛そうに、早く泣き止むといいのになと思うはずです。
泣いている子供の親がそばにいて、その子をあやしたり機嫌をとったりして何とか静かにさせようとしていることも多いですね。
しかし、私たち大人はなぜ小さな子供が泣いていると、それをやめさせたがってしまうのでしょうか?彼らが泣くには、彼らなりに泣きたい理由というものがあるのです。
その理由を理解しようともせずに、うるさいからとか可愛そうだからとか思って、むやみにそれをとめようとするのは大人の身勝手ではないでしょうか。
ずいぶん前に、あるクライアントさんがお話ししてくださったことですが、小さいときに思い切り泣こうとすると、おばあちゃんが泣かないようにとあれこれしてくれるので、泣けなくて辛かったということでした。
子供に限らず、大人でも誰でも泣きたいときには思い切り泣くことが必要なのです。必要だからこそ心と身体を使って泣こうとするわけですから。
私たちは他人の感情表現を身近にすると、後ずさりしようとしてしまうような習慣があるのです。だから、相手に冷静になって欲しいといつも思っています。
ですが、本当に相手のことを思うのであれば、十分に感情を開放させてあげることがとても大切なことだと気づく必要があります。
講座でカウンセリングやヒプノセラピーの実習をしてもらっていると、クライアントさん役の人が感情を露わにすると、セラピスト役の人は無意識的にそれを抑えてしまう傾向があるのです。
それは繰り返しの練習によって、逆にそうした感情を感じるように促して差し上げることができるようになります。そしてそれは、必ず普段の人間関係の中にも応用することができます。
幼い子供を持つお父さん、お母さん、そしておじいちゃん、おばあちゃん、かわいい子供に沢山泣かせてあげて下さい。大きな安らかな心て感情表現を見守ってあげることが大事なのです。
そうしてもらえた子供は、大人になっても自分の感情をネガティブに捉えることがないので、自然に素直な感情表現をすることができるようになるはずです。