受け入れられない思い

どうせ長くてもせいぜい100年以下の人生であるならば、笑って楽しく毎日気持ちよく生活したいものですね。これに異論がある人はあまりいないはずです。

ですが現実はというと、そうそういつもいつも笑顔で喜びに満ち溢れて生きていくわけにはいかないと思っているのです。

現実はそれほど甘くないということかもしれません。自分がどう望もうが、身の回りに起きてくる現実をコントロールすることはできないわけですから。

求めていたことと異なることが起きれば、それは喜んではいられなくなるということですね。つまり、期待と起きることの食い違いが私たちの苦悩の原因だと思っているのです。

結婚したいと思っている人にふられるとか、入りたいと願っている学校の試験に落ちるとか、健康でありたいのに病気になるとか、すべてこのパターンです。

しかし、私たちが本当に喜べない理由、苦悩してしまう原因とはそれではないのです。起きていることを受け入れることができないという事こそが、本当の苦しみの原因だということです。

よく処世術として、あきらめるということを使って、期待に反することを受け入れたつもりになることはできるのですが、それは実は本当の願いを抑圧したに過ぎません。

抑圧して感じなくすることで、もう大丈夫とするだけなのです。そして、その抑圧された渇望する思いは、いつか投影となって自分の身に降りかかってきます。

つまり同じように、渇望しても手に入れられないという体験を作りだしてしまうのです。こうしたことは、抑圧を解放するまで人生のパターンとして繰り返すことになります。

自分の苦悩の原因は一重に事態を受け入れない頑なな自分の心にあるのだということを一度しっかりと考えてみることです。

そしてできるところからで構いませんから、あきらめるのではなく、受け入れようとする練習をしていくことが大切なのです。

しっかりと受け入れられたなら、その時には気分は爽快になるはずです。もうわだかまりがなくなった心の状態になれるからです。

何が起きたとしてもこうした受け入れる心を養っておくと、苦しみは少なくなるはずです。その代わりに、笑顔で気持ちのいい人生に変えていくことができると思います。