毎日ではないですが、大抵一日の間のどこかの時間に「奇跡のコース」を読んでいます。文字を目で追うのはきっと得意ではないのですが、それでも読むのは何か特別な魅力があるからだと思います。
その一つは決して妥協をしない考え方にあると言えます。グレーゾーンが全くないのです。この世界では、完全な白でも黒でもないその中間的なグレーの領域が大切という考えがあります。
一人の人間を例にとってみても、長所と短所があるとの一般常識的な解釈がありますね。実際完璧な人間など一人もいませんし、良心を一つも持っていないような極悪非道な人もいないわけです。
人の心の発達段階を調べていくと、まだ精神的に未成熟な幼い子供の頃には、1か0かといった極端な考え方をする時期というものがあります。
この人はいい人、あの人は悪い人という具合に単純なものの考え方しかまだできない状態なのですが、成長すると共にそうした両極端から次第に中間的なものの見方を学習していくのです。
だからこそ、この世界はグレーゾーンでできていると言えるわけです。しかし、コースの考え方はそれとは全く相容れないものです。
それは、真実か幻想かそのどちらしかないと言う教えなのです。少し真実で残りが幻想ということはないと言うことです。
だれかを愛すると同時に憎むなどということはまやかしだと言うことになります。でもそれが人間というものでしょと思っても、そんな妥協はいっさいしないのです。
だから読んでいてとてもすっきりするのです。その潔い姿勢や教えにとても励まされる感じがするのかもしれません。
したがってコースの教えどおりに物事をとらえてそれを実践していくということは並大抵のことではありませんが、それはある意味生きる方向を示唆していると言うことです。
今すぐに自分がその妥協のない生き方ができるわけではありません。しかしどこかの時点で100%許すとか、完全な愛を与えるということができるようになれたらと願っています。